大阪で自己否定を自己肯定に変える心理セラピーをしています、心理セラピストの喜多村純子です。
さて。皆さんは、自分の感覚が間違っている気がする、とか、自分の感じ方がおかしいのではないかと、自分の感覚を信じられないと感じた事はないでしょうか?
人に何か嫌な事を言われたり、意地悪をされた時に、『いやだと感じる自分が悪いのではないか?』『我慢できない自分が悪いのではないか?』と自分の感覚を疑ってしまう・・・
実はこの言葉は、自分の感覚を否定する言葉なんですが、セラピーに来られる方が良く使う特徴的な言葉のひとつなんです。
この自分の感覚を疑ってしまう、自分の感覚をおかしいと思ってしまう癖があると、自己犠牲的な人生になりやすく、幸せに生きることが難しくなります。
なぜなら、理不尽な扱いをされても感じていないふりをするので、無意識に我慢することが多くなり、人から利用されたり、理不尽な扱いを強いられることが多くなるからです。
要するに生きていることが辛くなりやすいということになるわけです。
ということで今日は、このように、自分の感覚を疑ってしまう人達が、どうしたらその問題を解決できるのか?我慢しがちな人たちが幸せに生きられるようになるにはどうしたら良いのか?というお話をさせて頂きます。
ぜひ最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
ありのままの自分でいてはいけないという呪い
では改めて。
この自分の感覚を信じられないと感じている人達はどんな人たちなのでしょうか?
私がセラピーをしていて多いのはこんな人たちです。
- 自分に自信がない
- 人に批判されることが怖い
- 自分の意見を言えない
- 人に責められるとすぐに自分が悪いと思ってしまう
- 相手の感情に振り回されやすい
- 自分のせいだ、と自責感情を抱きやすい
- いつも不安と隣り合わせで生きている感覚がある
などなど、自分のありのままを否定している人達、自己否定をしている人達が多いなと感じています。
自己否定している人達の大きな特徴のひとつが、自分の感覚を否定しているというところです。
なぜなら、自分の感覚こそ、自分自身そのものだからです。
嫌なものを嫌と感じたり
好きなものを好きと感じたり
やりたいことをやりたいと思えたり
やりたくないことをやりたくないと思える
自分自身の感覚をごまかすことなく感じられている状態こそが、ありのままの自分を生きられている状態だということです。
しかし、自分の感覚をうたがい、信じられなくなっている人達は、ありのままの自分を生きることを禁止しています。
なぜなら
- ありのままの自分で意思を出したら怖い事が起きる
- 思った事を感じたままに出したら攻撃される
- 感じたままに感じて表現すると怒られたりと怖い事が起きる
そう無意識に思っているからです。
そう無意識に思うようにいたった幼少期が過去にあったからです。
ありのままの自分で生きられないという感覚は、幼少期からの親子関係からくる緊張感(トラウマ)が、ある種の呪いのようになり、大人になった今の自分を縛り付けている事が多いのです。
家庭問題が子供の自己否定の問題につながる理由とは
では、どんな時に子供はありのままの自分を生きられるのでしょうか。
それは想像して頂ければ簡単な事だとは思いますが、両親が安定しており、家庭の中に安心安全が守られている状態が必要条件です。
無力で親に守ってもらわなければ生きられない幼い子供は、命を守ることが最優先となるため、安心安全の場所や空間が守られていないと素直な自己表現は出来ないからです。
だから
- 母親がいつも苦労して泣いている
- 両親が教育に過剰に熱心で、成績の良し悪しで機嫌や態度が変わる
- 失敗すると罵倒されたり、家族中からバカにされる
- 父親が母親をいつもバカにして罵倒している
- 兄妹が両親のいない場所で自分をいじめたり罵倒してくる
- 祖父母が母親を常にいじめている
など、家庭の中でこうした緊張状態が続いていると、子供は自分の素直な感覚は感じられなくなっていきます。怖い事を怖いと感じてしまったら、その場にいられなくなるし、何より、その怖い対象者が自分の大好きな人であった場合は、恐怖を感じる事そのものを封印しなければ、その家の中で生きていけなくなるからです。
それは、例えるならば、外から入ってきた怖い強盗にエプロンをつけてご飯を作ってもらっているようなイメージで生きている状態だと思ってもらえれば分かりやすいかと思います。
いつも自分のお世話をしてくれてご飯を食べさせ世話を焼いてくれる、自分にとって大好きな相手が自分にとって一番怖い存在であるという状態は、子供の心にとって非常なストレスとなり、恐怖と愛情が混乱し、カオス状態になるのです。
好きなのに怖い。怖いけど好き。近付きたいけど怖い、怖いけど離れたくない
こうした相反する感覚が続くと、この感覚にさらされ続けた子供はだんだん自分の感覚がわからなくなり、相手と自分の境界線を失っていきます。つまり、相手の感情と自分の感情の境目がわからなくなるし、事実と想像の境界線も曖昧になっていくのです。
これが自分の感覚がわからない、自己否定の正体です。
心理的無境界がまねく苦しみ
この無境界状態で生きて来た人達は、自分と相手との境界線があいまいなため、人との間で適切な距離を保つことが出来ません。
ひとことで言えば、断って良い事、意思を出して良い事、自分を守る為の行動を適切に選ぶ事が出来ない状態だからです。
相手との境界線がない、無境界状態は、自分の心を自分で守れない状態になるからこそ
- 怒るべき時に怒れない
- 主張するべき時に主張ができない
- 不快な対応に拒絶ができない
- 理不尽な扱いにノーが言えない
こうした状態になりやすく、その結果当然ですが、人間関係は苦しいものになりますし、仕事や家庭関係、様々な場所でストレスを抱えて我慢しがちになり、体調を崩してしまったり、鬱になったり適応障害などになってしまったりすることも多くなります。
だから、心理的無境界とは実は非常によくない状態だという事なのです。
解決していく為に出来ること
では、どうしたらこの問題は解決できるのでしょうか。
解決していくために大事な事は、自分で自分を守ると決められるようになること。
自分の尊厳は誰にも踏み込ませない、自分という存在を粗末に扱わせないと自分で決められるようになることです。
私は大事な人間だと、生きている価値のある人間だと自分で自分の価値を認められるようになる事です。
具体的に言えば
- 怒るべき時にはちゃんと怒る
- 主張するべき時にはきちんと主張をする
- 不快な対応にはきちんとノーを言う
- 理不尽な扱いに対してはっきり拒絶を示す
こうした毅然とした態度をとれるようになることが必要になります。ノーの意思をだすこと、それが自分を守るということになるからです。
そのためには、幼少期にかけられた親からの呪いを自分の手で解かなければいけません。
あなたが幼少期に生き抜くために飲み込んで来た、様々な恐怖や悲しみ、不安をきちんと癒して、親の問題や親の事情は親のものとして返し、親のために生きることから卒業すると決めることが大事です。
親思いだったり優しい人ほど、苦労していたり、大変な思いをしてきた親を放っておけず、自分の人生を生きることや自分の気持ちを優先して生きることに罪悪感を感じやすい傾向がありますが
あなたがあなたの人生を取り戻すためには、あなたが親に注いできた優しさや思いやりを、自分のために使っていくと決めなければいけません。なぜなら、あなたが持てるのはあなた自身の人生しか無理だからです。
親は親の人生を生きています。
あなたの人生は親のためにあるわけじゃありません。
あなたの人生はあなたのためにあるんです。
親の人生は親が選んで生きている人生です。
あなたが親から自立し、自分の人生を生きるために、親の人生を尊重してあげましょう。
それは親を見捨てるという意味ではなく、
自分の手ではどうしても変えられないものとして、
親の人生を親の選んだものとして受け入れてあげるという意味です。
そしてその親を手放した両手を今度は自分の人生のために
あなたのその手と力を自分のために使ってあげられるようになれば
あなたの自己否定の問題は自然と解決していきます。
あなたがあなたの人生のために生きられるように、いつでもお手伝いさせて頂きます。
また心理的無境界の問題については、6月2日に東京にて開催する1DAYセミナーでも詳しくお話させて頂きます。良かったらぜひお越しください。