【心理】視点を変えて自分に優しくなろう

皆さんは何かを見た時、又は判断しようとする時。どんな視点で物事を見て判断するでしょうか。

きっと〇〇に違いない
あるいは、絶対に〇〇だ

と決め付けの強い視点で物事を見てしまう癖はないでしょうか。

認知のゆがみのパターンにはいくつかの種類がありますが、認知のゆがみを提唱したデビッド・D・バーンズはそれらを「推論の誤り」として10のパターンがあると教えています。

〇〇に違いない、あるいは、絶対に〇〇だという考え方も、その10のパターンの複合的な影響によって起きるのですが、詳しいことは認知行動療法の本を読んで頂いても良いと思いますし、11月の大阪セミナーでお話する予定ですが(宣伝w)

今日はその決め付けの思考を自分で手軽に変えられるリフレーミングの方法についてお話したいと思います。

リフレーミングとは?

リフレーミングとは、ある状況や出来事の意味や視点を変えることで、否定的な解釈を肯定的なものに変える心理的手法です。認知行動療法の理論によれば、人は現実ではなく、その出来事に対して解釈によって感情や行動が左右されると考えられています。

たとえば、失敗を「自分の無能さの証拠」として解釈するのではなく、「次に成功するための学び」と解釈を変えるなどがリフレーミングの一例です。

このように視点を変えることで、自分を苦しめる思い込みを、建設的な行動に変える助けになります。リフレーミングは、自分自身や他者に対する否定的な思い込みを修正し、柔軟で適応的な思考を促進します。

wikiより引用

分かりやすく例えると。

嫌なことや失敗を「もうダメだ」と思うのではなく、「次に改善点を活かせるチャンスだ」と考えるような、カメラのレンズを交換して、変わった風景を撮るような感じです。

例えば、テストで点を思うように取れなかったとき、「こんなに失敗して自分はダメだ」「自分は頭が悪い」と思うのではなく、「次はどこを頑張れば良いかな」「前は出来なかったけど今回は〇に出来ている」と、失敗にしか目を向けられなかった視点を、事実を含めて前向きに考えられるように思考を変える方法です。

簡単に言えば、リフレーミングは「欠点」や「失敗」を新しい角度から見直して、そこに隠れている良い面や出来ている良い側面を見つける方法というですね。

これは無理やり良いところだけを見て、ポジティブにしようという意味ではなく、失敗は失敗としてその側面は受け入れながら、良い部分や出来ている部分にも同時に目を向けられるようになるということです。このリフレーミングを行う時に大事なポイントは、事実に基づいて判断するという点です。

事実に基づかないポジティブは本当の前向きさにはならないので、この点だけは注意が必要です。

たとえばこんな例です。

嫌われている思い込みを解くために、「私は結局愛されている」とか、「嫌われている、避けられているのはきっと気のせいだ!」など、こうした言葉を自分にかける時。例えば本当に嫌われるような行動を取っていたり、意地悪な行動をとってしまっていた場合は状況の悪化を招きます。

なぜなら、それは事実に基づいたリフレーミングではないからです。

そういう場合は、リフレーミングで自分をポジティブにする前に、まずは自分の行動の事実を受け止め振り返り、その行動について反省と内省をしたうえで、その行動を自分がとった理由と向き合う事が必要です。

どうして意地悪してしまったのだろう?どうしてあんな行動を取ってしまったのだろう?と、きちんとその自分の行動の事実から目を反らさずに向き合うことが大事です。確かに、自分の嫌な行動と真正面から向き合うのは辛いものですが、その事実と向き合わないままにポジティブを上乗せしても、本当の意味での心の平和は得られないからです。

なぜなら、嫌われる行動をもしとってしまっていたら・・・その行動を自分が変えない限り、嫌われる事実が増えていくのは明白ですよね。人は離れて行ってしまうはずです。その状態の中で、いくら、私は受け入れられている、愛されていると言葉をかけても現実と一致しない限り心は安定しないからです。

リフレーミングは自分の認知のゆがみを解くときに非常に使えるスキルですが、事実によってフレームを変えるという点を忘れてしまうと、歪んだ自己愛を膨らませてしまったり、人間関係を拗らせてしまう事があるのでその点だけは気を付けて欲しいなと思います。

とはいえ。自己否定が強く、自分のすべてに×をつけてしまう心の癖がある方には、心を安心させるために非常に有効なやり方ですでぜひ試してみて欲しいと思います。

リフレーミングのやり方

例えば。「私は自己主張が出来ない」と悩んでいる方がいたとしましょう。職場や友人関係で、いつも自分の意見をなかなか出せない、言いたいことが言えないと感じているなどですね。

これをリフレーミングをしてみると
自己主張が出来ない → 周りの人の気持ちを考えられる協調性がある
と変えられたりします。

また、自分は何でも考えなしに行動してしまう、瞬間的に行動してしまうという欠点は
瞬間的に行動してしまう → 決断力がある、行動力がある、反応が早い
と変えるなどです。

つまり、ひとつの物事に対して、見る角度や捉え方によって見え方を変えてみると、欠点の面でしか見れなかった自分の性格に、温かい優しい光を当てる事が出来る訳です。そういう意味で、リフレーミングは、私は自分を肯定し受容していく為に、そして自分自身に優しく接するためにとても使えるやり方だなと思っています。

しかしここで注意が必要なのは、リフレーミングをしない方がいい人もいるということです。

リフレーミングをしない方がいい人もいる

それは、何らかのトラウマや強い不安を抱えている方の場合です。

例えば、幼少期に親に殴られていた、身内や周りから性的被害を受けた事がある、などの何らかの幼少期のトラウマが未解決の方の場合は、リフレーミングはやろうとすると苦しくなってしまいます。

それは、そういう方はまだ自分を受け入れられる状態にいないからです。傷だらけでその傷から血が噴き出したままの状態ですので、まずはその傷を止める作業が先決になります。それは認知行動療法だけでは難しい部分になりますので、感情処理をするセラピーを受けて頂く方がいいかなと思います。

そのあたりはNatureでもカウンセリングを受けて頂ければ、お話を聞かせて頂きながらセラピーの対応もさせて頂きますし、ご自身でワークをされて難しいなと思われた時には早めに専門の機関にご相談されるなど、対処されることを強くお勧めします。

トラウマからの回復には段階的に必要な手当てがあり、プロの精神科医の先生方も、トラウマの回復には複合的に心理療法を使う事がベストであると言われています。ですので、1つの手法にとらわれず、その時のご自身の状態にあわせて対応してもらえるような機関にご相談されるようにしてみられると良いかなと思います。

ネガティブは悪いものではない

パニック障害や不安障害の方のセラピーも今まで沢山させて頂いてきましたが、それらの方は皆さん、ご自身の不安症やパニック症状を何とかおさめようと頑張っておられる方ばかりでした。

落ち着かせなければ、早く普通にならなければ、頑張って社会復帰しなければ・・・と焦るほどに不安が強くなり、状態が長引いてしまったと言う方もおられました。

しかし、心理学的に人間はマイナスに目が向きやすいと言われています。不安や恐怖は防衛本能から来るものなので、どうしても人はネガティブになりやすいのだそうです。分かりやすく言えば、失敗するのが怖いからちゃんと準備をしたり、泥棒に入られるのが怖いからしっかり戸締りをする。

こんな風に、不安も恐怖も自分の身の安全を守る為のものなので、起きて自然な感情です。何も悪いものではなく、むしろ、その不安も恐怖も今の貴方が生きていけるように守ってくれているものです。

ですが、心が弱っている時や落ち込んだ時、心が傷ついている時は、この防衛反応が過剰に出てしまいやすく
心のレジリエンス力が落ちているために、必要以上に不安が強くなってしまったり、必要以上に恐怖を駆り立ててしまうので、日常に差しさわりが出てきてしまいます。

だからどうしても、不安を消したい、落ち着かせたいという気持ちになってしまうのですが、それはますます自分の心を追い詰めてしまうことに他なりません。

だからもし、あなたがそういう状態に陥ってしまった時は、不安や恐怖が強く出すぎていることを責めるのではなく、何か心に不具合が起きているなぁと優しい視点を自分に向けてあげることが大事です。

そして、その過剰な不安と恐怖を引き起こしている心の不具合を、心理セラピーなどを使いながら、ちゃんと安心に変えてあげる手当を自分にしてあげたら良いかなと思います。

そしてその安心感が体に入った後、リフレーミングなどを使いながら自分の手で心の反応を適応的に変えていく

そうすると抑圧して自分を無理やり安心させようとするのではなく、不安を受け止めながら自分の手で心を安心させる方法で、本当の自己肯定感を自分の手で育てていけるようになります。

心の回復には正しいステップを踏むことが必要です。

本も読んでみた、色々試してみたけどひとりでは難しいという場合は、何らかのトラウマが影響している可能性も考えられます。ぜひ、自分だけでは難しいなぁと言う時は専門家にぜひご相談されてみてくださいね。
もちろん、Natureでも心理カウンセリングだけではなく、感情処理を扱う心理セラピーもご提供しております。
どうぞ安心してご相談下さい。

自分の事を知りたいという方向けに3ヶ月のセミナーを開催します。単発での受講も連続での受講もどちらも可能ですので、良かったら自分を知るきっかけに、自分に優しくする方法を学ぶきっかけに、お越し頂けたら嬉しいです。

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