子供の自立後の虚無感と寂しさが止まらない ~空の巣症候群とは~

春と言えば、進学や就職の季節ですね。

子供の進学や就職。嬉しいはずなのにいざ子供が旅立った途端、なんだか元気がなくなった、やる気がおきない虚無感に襲われるようになったという場合、それは空の巣症候群に陥っているのかもしれません。

今日のコラムでは、空の巣症候群になりやすいタイプと、なぜ空の巣症候群になってしまうのか、そして空の巣症候群になってしまった時の対処法についてお話していきます。

良かったら最後まで読んでくださいね。

空の巣症候群とは?

子どもが成長し巣立って、巣(家)が空っぽになってしまったことが、一種の喪失体験となり、寂しさなどを感じることを空の巣症候群といいます。精神医学的にはうつ状態、うつ病の一種であることが多いものです。特に内向的で人付き合いが苦手、外出より家にいる方が好きで、子育てを生きがいとしてきた専業主婦に多くみられます。空の巣症候群には更年期によるホルモンバランスの変化や、夫が仕事人間、あるいは単身赴任のため不在といった家庭的要因の影響も関係していることが多いものです。

厚生労働省 ポータルサイトより

つまり、空の巣症候群とは子供の自立や子育てが一段落した時に起きる一過性のうつ症状のこと。子供が生き甲斐だった母親が発症することが多く、母親の燃え尽き症候群と言われることもあると言われています。

空の巣症候群の症状とは

  • 身体のだるさがとれない
  • やる気が出ない
  • 頭痛や肩こり
  • 食欲不振
  • 不眠
  • 無気力感
  • 焦燥感(イライラ)
  • 孤独感
  • 抑うつ状態

など理由のない身体的な症状に加えて、ふとした時に涙が出る、なにもやる気が出ない、イライラしやすいなどの症状も空の巣症候群の症状だと言われています。

空の巣症候群の症例いろいろ

  • 子供が就職し家を出たあと、何もやる気がなくなってしまった
  • 子供が結婚した後、夫と二人の生活になった途端に体調が悪くなった
  • 子供が自立したあとは自分の為に生きようと思っていたのに、行動できずやる気が出ない
  • 自分の役割がなくなったように感じて孤独感にさいなまれる
  • 自分の人生はなんだったのか?と考えてしまう
  • 夫との会話でイライラすることが増えた

等々です。

これらの事例を見てわかるように、この空の巣症候群が起きる背景には、子育てに燃え尽きてしまった、自分の無価値感が吹き出したという問題はもちろんありますが、それだけではなく、夫婦がふたり残されたことによって見えてきたパートナーシップの問題もあることが多いとセラピーをしていて感じています。

どういう人が空の巣症候群になりやすいのか

空の巣症候群になりやすいタイプの人は、専業主婦などでずっと家族の為に、子供のために生きて来たという人が多いとお話しました。これは言いかえると、人の為に生きる生き方をしてきた人ということです。

  • 自分の事よりも周りのお世話を優先する
  • 大変そうな人を放っておけない
  • 自分の気持ちはわからない
  • 自分のやりたい事を聞かれると答えられない
  • 自分の為に生きるという意味がわからない
  • 自分を優先することに罪悪感がある

など、人から必要とされることで自分を感じられる、人のお世話をしていたら生きてる実感が得られる、自分を大事にすることに罪悪感や抵抗を感じやすいなど、自分に自信がなく自己否定が強い、孤独感や、無価値感を抱えている人が多いと私は思っています。

だからこそ、こどもの世話をして自分の寂しさや孤独や無価値感を埋め続けてきたわけです。こどもの世話に集中していれば、自分の心の中の寂しさや孤独感や無価値感を感じずに済んだというわけです。

空の巣症候群の対処方法とは

では、この空の巣症候群かもしれないと思った時、どうしたらこの問題を解決できるのでしょうか。

  • 自分の孤独感を癒す
  • 無価値感を癒す
  • 自分の人生を自分で肯定できるようになる

人に必要とされることに依存したり、人に自分の価値を埋めてもらうのではなく、自分の孤独や無価値感から逃げずにしっかり向き合うこと。寂しさや孤独から逃げるのではなく、自分の弱さをちゃんと受け入れて生きる心の強さを育てること。そこが解決のためのポイントになります。

子供のお世話をずっとしてきたり、家族の為に自分を犠牲にしてきた人のほとんどは、幼少期から親のお世話をしてきたというひとが非常に多いです。

  • 夫と不仲の母親の愚痴を聞いてあげていた
  • お金がないという母親の為に自分のお金を出していた
  • 父親の借金返済のために奔走していた
  • 役に立った時だけ親が喜んで、自分を見てくれた

こうした背景で育った人たちが圧倒的に多いと感じています。

そして、このような家庭で育った人たちは、心理的に親から無条件に受け入れられ、愛されたという経験をしていません。だから、その幼少期からの心の穴を埋めるために、子供やパートナーの役に立ったりお世話をすることに集中してきたという人が多いのです。

つまり、空の巣症候群とは、子供の巣立ちをきっかけに発症するため、親子関係を機に起きるというイメージかもしれませんが、本当の原因はあなたの幼少期にあるのです。

その幼少期の心の穴と向き合い、きちんと癒す事が空の巣症候群から抜け出す為の一歩になります。

ずっと人のために生きて来た人生から、今度こそ自分のための人生を生きるために。
自分を大切にするために心の穴を癒してあげてくださいね。

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