【心理】トラウマを解決した未来とは

セラピーに来られる方の多くは、様々な幼少期からのトラウマを抱えて来られています。そのトラウマをセラピーで扱い、恐怖を安心に変えていくということをしているのですが

具体的にトラウマが解決した未来がわからない、そもそもどんな風に自分が変われるのかがわからないと言われるクライアントさんが多々いらっしゃいます。

なので今日は、トラウマが解決するとは?そして、解決した未来のイメージについてお話しようと思います。とても大事な事を書いていますので、ぜひ最後まで読んで下さいね。

トラウマとはなにか

ではまず、トラウマとは何か?というところからお話していきます。
あなたはトラウマと聞いてどんなイメージをするでしょうか?

wikiさんに聞いてみると、トラウマについてこのように書かれていました。

トラウマとは、個人で対処できないほどの圧倒されるよう な体験によってもたらされる心の傷のことです。 トラウマとな る体験(外傷体験)によってさまざまな心身の反応が起こりま す。 トラウマとなる体験として、地震、津波、台風などの自然災 害、虐待、犯罪、性暴力、交通事故などによるものがあります。

wikipediaより引用

個人では対処できないほどの圧倒的な体験によってもたらされる心の傷=トラウマということです。
この個人を子供の力と書き換えるとこうなりますね。

子供の力では対処できないほどの圧倒されるような体験によってもたらされる心の傷

こう書き換えるとトラウマが非常に身近に起こりうるものだということがイメージできると思います。
子供にとって圧倒的な力を持っている相手とは、すなわち両親です。つまり、両親との間で対処できないような経験を繰り返し受ける事が、子供のトラウマとして根付いてしまうということが言えます。

トラウマになる事例とは

子供の心のトラウマの原因となるものについて、いくつか事例をあげてみたいと思います。
それは例えばこんなケースです。

  • 両親が目の前で殴り合うなどの喧嘩をしていた
  • 両親がお互いに背を向けて、一切の会話をしない関係だった
  • 気に入らない事があると親が暴れたり、暴力をふるってきた
  • 母親がいつも祖父母などに苛められて泣いている姿を見ていた
  • 失敗をすると罵声や罵倒を浴びせられたり、家から追い出されたりした
  • 意見を言うと生意気だと怒鳴られ、無視されたり暴力を受けた
  • 服や必要なものなどを周りの人と同じようにしてもらえなかった
  • いつもみすぼらしい物を持たされたり、人と違う物を持たされていた
  • 給食費や必要なお金を親が支払ってくれなかった
  • 何をしても責められて、その罵声をただ聞いているしかなかった

などなど、セラピーで扱ってきたトラウマの背景は多岐にわたります。殴られるなど、身体的な暴力だけがトラウマになるわけではないと言われる理由は、親子関係がそもそも強者と弱者の関係で成り立っているという背景があります。

衣食住・生存のすべてを親に委ねている子供にとって、親の存在は絶対です。逆らうことは即、死をイメージすると言っても過言ではありません。その親から日常的に暴力だけではなく暴言、否定、面前DVなどを見せ続けられることは、子供をどんどん無力化していくのです。

抗いようのない現実の前で自分には何もできない、という圧倒的な無力感です。

これがトラウマを持っている人達の多くの感覚です。

否定という名の洗脳

例えばセラピーでとても多いケースの中で、親から日常的に否定的な言葉をかけられてきたという人達がいます。

お前はばかだ
お前はダメだ
何をやってもダメだ

などなどの言葉をずっと受け続けてきたという人達です。こういう体験をしてきた人たちは、ずっとその言葉を受け取り続けているうちに、だんだんとその言葉に自分の脳が侵されていきます。

それはまるで全身に毒が回るように、親からかけ続けられている否定の言葉が体中にめぐっていくような感じです。私はそれを親による洗脳だととらえています。

この親からの毒の言葉を受け取り続けて、洗脳されて来た人達は、いつしかだんだん自分自身でもその言葉を唱えるようになっていきます。

本当に自分はバカなんだ
本当に自分はダメなんだ
本当に何もできないんだ

と相手の言葉通りの自分になっていくのです。つまり、親から言われてきた言葉を、今度は自分が自分自身にかけることで、洗脳をより強化していくわけです。

そしてそれが強烈な自己否定の感覚となって、様々な問題を引き起こし続けるようになります。

自己否定の問題を解決する為に

この親からの洗脳から抜けるのは、宗教の洗脳から抜けるのと同じぐらい実は簡単な事ではありません。並大抵の事ではないのです。

当たり前ですよね、脳が柔らかい何でも吸収する乳幼児の頃からずっと、吸収し続けてきた毒です。一朝一夕で抜ける訳がありません。だから、自己否定の問題を解決するには時間がかかるのです。

そして、長い間、否定の言葉を受け取り続けて来た人達は、ほんの些細な事ですぐに自信を失います。
なかなか自信の感覚が定着しにくいという傾向があります。それは、自分を否定してきた時間の長さだけ、自分を信じる、自信を持つという経験が浅いからです。

だから、一度や二度のセラピーで安心感が定着しにくいということもある意味当たり前の事なのです。

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では、この自己否定の問題はどう解決していくのか。

まずはこの幼少期の否定を浴び続けてきた頃のトラウマを軽くしてあげることが先決です。
そのために、

本当に自分が受けてきた否定の言葉や罵倒の言葉は私が受け取るべきものだったのか?
本当に自分はバカでダメな人間だったのか?
本当にあんなに言われないといけないほど、私はダメな人間だったのだろうか?

と、自分の頭で考えられるようになることが大事です。

そのために必要なのが、新しい目線を持った他者の力だと私は考えています。家庭とはあるいみ閉鎖された空間です。そして、親のルールによって支配されている空間です。
その家庭の空間をやぶり、新しい価値観を自分が手に入れる為には他者の力が必要なんです。

あなたが受け続けてきたことはおかしいんだよ
これは怒って良い事なんだよ
こんなことは受け取り続けなくて良いんだよ

と、小さい頃のあなたが得られなかった言葉や、大人からの助けをちゃんと受け取る事。
おかしいことをおかしいと思って良いんだと、自分の脳と身体にしみついた毒を吐き出せるように
助けてくれる他者の存在が必要なんです。

それが心理セラピーです。

トラウマが解決した未来とは

トラウマは過去の感覚です。そして、過去に起きた出来事は消すことは出来ません。

では、トラウマは一生消えないのか?出来事が消えないならば、トラウマはずっと残るのか?と言われればそうではありません。

何度も言いますが、トラウマは過去のものです。
でも、トラウマに振り回されている人達は、過去で終わっていないから現在に問題が起きています

目の前の人はお父さんではないのに、同じ男性というだけで過緊張がおきたり
目の前の人はお母さんではないのに、同じ女性というだけでびくびくして言いたいことが言えなかったり

過去が現在に侵食してきているから問題が起きているのです。

だから、トラウマを解決するとはこの過去を過去のものとして終わらせることということです。

怖かったね
悲しかったね
さびしかったね

でもこれはもう、過去のものだよと。今、起きている事ではないんだよと頭と体で納得させてあげることで、過去の恐怖を今の自分の手で終わらせてあげるのです。

人の手を借りて、自分の手で終わらせるというところがポイントです。
先ほども書きましたが、トラウマを持っている人達は強い無力感を持っています。だからこそ、自分の手で変えられた、乗り越えられたという経験が大事なんです。

そうすると過去と今が切り離され、今を見れるようになっていき、過去の感覚に振り回されることが
少なくなっていきます。そうやって自信を回復し、トラウマを解決していけるのです。

今を生きたいかどうか?

逆に言うと。今を生きたくないという人は、この過去のトラウマをずっと手放せないということになります。何度も過去を思い出しながら、その過去の感覚に浸りながら生きてしまうということになります。

それはまた、その理由がありますが長くなるのでこの記事では触れません。
ですが大事な事は、トラウマを乗り越えるために一番大事な事は、自分が今を生きたいかどうか?ということだということです。

目の前の人と繋がりたいか
自分のやりたいことをやりたいか
自分の意思や感情を大事にして生きたいか
人生を諦めたくないという強い思いがあるかどうか

この意思がある人たちは、たとえ時間がかかったとしてもトラウマを克服し人生を変えていく事が出来ると私は思っています。沢山見てきたクライアントさん達も、みんなそうでした。

だから、たとえどんなに過酷な過去があったとしても。トラウマがあったとしても、自分の未来のために諦めないで欲しいなといつも思ってセッションしています。

最後に、複雑性トラウマなど、様々なトラウマを持っているという方には、じっくりご自身と向き合う為のコースである継続コースがお勧めです。しっかりトラウマ解決に向けてサポートしていますので、この記事を読んで、相談してみたいなと思った方はいつでも安心してご相談下さい。

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