人とうまくつきあえない、どこにいても居場所がない、疎外感を感じやすい
もし、あなたがそんな風に感じた事があるとしたら。もしかしたらそれは、愛着の傷つきが原因かもしれません。
愛着とは
愛着とは、アタッチメントとも言いますが、乳幼児期に主な養育者との間で築かれる、安心安全の感覚のことを言います。例えば、特定の人や物事に対して強い感情的な愛情や、親しみを抱くことなども含まれます。
愛着は子供が生きていくために一番最初に感じる欲求の原点とも言われており、人が人と深いつながりや信頼を築く上で重要な感情であり、人間関係や物事への関心を深めるために必要な要素とされています。
つまり愛着とは人の心の安心感の土台となるものということ。人と人との絆を結ぶ能力となるものということ。
どんな風に人とつながるか
どんな風に人とコミュニケーションをとるか
どんな風に自分を活かすか
など、生きていくうえでの様々な場面に影響を及ぼすため、人生そのものに影響を与える重要なものであると言われています。
だから、安定した愛着を形成出来ている人は、他人とも良い人間関係を築けますし、自分のやりたい事に自信をもって取り組めたり、人と協力しあいながら仕事を出来たりするため、対人関係や社会生活で良い結果をもたらしやすいということになるわけです。羨ましい限りですね。
愛着が形成される過程
愛着形成はお子さんを育てた事がある方なら想像がつきやすいかもしれませんが、オギャーと生まれた赤ちゃんから大体3歳ぐらいの間に基礎の部分が作られるとされています。
生後6か月ぐらいの赤ちゃんが人見知りを始めるのも、愛着を形成するうえで自分にとって大切な存在とそうではない存在を見分ける為ですし、親泣かせの魔のいやいや期も養育者との間の信頼関係を育む過程で必要な過程です。
自分が自我を出してもお母さんとの絆は切れたりしない、どんな自分でもお母さんは変わらず自分の側にいてくれるという信頼感を子供はこの時期に育てていくのですね。
この時の経験や感覚が愛着基盤となるどんな私でも生きていて良いのだという自己信頼と他者信頼の元になっていくわけです。
では、大人になってしまったら愛着の傷は癒せないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
大人になってからでも、私達はちゃんとステップを踏むことで安定した愛着の再構築は十分可能です。
と、言う事で。この記事では愛着の傷つきがもたらす様々な問題と、大人になった今の私達が、愛着の傷つきを癒していくためにどうしたら良いのか?ということをお話していきます。少し長めの記事になりますので、ゆっくりお茶など飲みながら、最後まで読んで下さいね。
4つの愛着パターン
ではまず。愛着のパターンについてお話していきます。
愛着パターンとは、幼少期の経験や環境によって形成される人間の愛着スタイルやパターンのことを指し、大きく分けると4つのパターンに分類されると言われています。
①安定型
愛着対象者から離されると泣いたり不安な様子を見せますが、その程度は過剰ではなく、対象者が現れると素直に再会を喜び対象者に抱かれようとするタイプです。根底には養育者への信頼と絆への信頼があるとされています。
この安定型のタイプの人は、人との絆に対する信頼感を持っていますので、対人関係で自分を値引き(自分を過小評価する心理のこと)することもなく、対等に人と付き合うことが出来ますし、本音で関わる事が相手との相互理解につながると考えることが出来るといわれています。
- 相手の反応を肯定的にとらえ、うがった見方をする事がない
- 相手の反応にあまり左右されることがない
- 自分が拒絶しても、相手が傷つくと思っていないので過剰に合わせる事がない
自分に対する自信があるため、自分の考えを持ち、前向きに表現することができ、社会と安心して関わることが出来ます。
②回避型
このタイプの子供は愛着対象者から離されても無反応を示すとされます。また対象者と再会しても目も合わさず自分から抱かれようとしない、など淡々とした様子を見せるタイプです。人に対して関心を見せることも少なく、子供であれば一人遊びが得意だったりします。
大人になると独立心の強さから、他人の助けを求めることが苦手だったり、感情表現を避けがちだったり、人と深く関わる事を避けるといった傾向として現れやすくなります。
- 幼少期の親の離婚や、親の病気などによる別離体験
- 親の死別などによる愛着対象の喪失体験
- 親のネグレクトや仕事などによる無関心な養育背景
愛着と言うもの、人との温かい繋がりに対して諦めている(脱愛着)タイプになります。
③抵抗・両価型
このタイプでは、反応の極端さが特徴になります。例えば、愛着対象者から離されると泣いて強い不安を訴えますが、しばらくして対象者が戻ってきても拒んだり嫌がったりして、素直に喜ばなかったりしますが、
一旦くっつくとなかなか離れようとしないという特徴があります。
このタイプの人は大人になると不安型になりやすいと言われ、人間関係の距離感に悩みやすかったり、人との交流で疲れやすかったり、自己評価の低さから周りにお試し行動などをとってしまう場合もあると言われています。
- 対象者の安全基地としての機能が不安定(母親の気分のむらが激しい)
- 過干渉でお世話をしてくれる時としない時の差が激しい
- 養育者が神経質でしつけが厳しい
常に不安を感じやすいため、不安を解消するために愛されようと過剰に努力しがちになったり、愛されているという感覚をえるために不適切な関係を受け入れてしまったりする。人を信用したいのに信じられず、自ら関係性を壊したり、壊れる方向へ自ら持って行ってしまうなどの見捨てられ不安の強さが特徴です。
④混乱型
このタイプの子供は、回避型と抵抗型が入り混じった一貫性のない行動パターンを見せると言われています。
例えば、全く無反応かと思えば激しく泣いたり、怒りを表したりなど、感情が安定しなかったり、場合によっては
肩を丸めるなど攻撃から身を守る反応を見せたり、人を叩いたりすることもある。
- 虐待を受けている子や親の精神状態が不安定な子供に見られる。
- 安全基地が逆に危険な場所となることで混乱している。
このパターンは虐待家庭で育った子供に多いと言われ、幼少期の親との間の心の傷が癒えていないため、ちょっとしたことでパニックになりやすい心のもろさを抱えているタイプです。この混乱型の人が大人になり、恋人との別離や孤立状態などを経験すると境界性パーソナリティ的な要素を呈することもあるとされ、心の傷のケアが必須のタイプということが出来るでしょう。
愛着の回復とは
簡単な説明ではありますが、読んで頂いてどうだったでしょうか?自分に当てはまるパターンは、なんとなくわかったなと感じて頂けたでしょうか。
愛着の傷との対峙はほんとうにしんどいものです。私も何度も経験してきましたので、この通過の痛みは非常によくわかります。たくさんカウンセリングをしてきましたが、愛着に傷つき、人生に絶望した人達のご相談をききながら
幼少期の愛着がいかにその後の人生に大きな影響を及ぼすか、何度も現場で感じてきました。
ですが、人の心はちゃんと回復する力も持っています。
身体の擦り傷がかさぶたが出来て血が止まるように、心の傷もまた、きちんと正しいケアをすることで傷は癒えていきます。人の心はたくましく、生きる力は素晴らしいのです。
その心の傷をケアする方法がカウンセリングや、内観をとおした自己理解です。心理学の知識はそのために使うと言っても過言ではないと私は思っています。自己理解を深めること、そして自己受容していく手段が心理学の学びであり知識を生かすということです。
自分の心の傷を認識した時・・・
人ははじめて受容をしることが出来ます。
そして自分の人生に対する優しい眼差しも育めるようになっていきます。
3月20日(木)にそんな愛着について詳しくお話しするお茶会を開催いたします。
どうしたら愛着の傷は癒していけるのか?
愛着の傷を癒すために自分で出来ることはどんなことなのか?
どうしたら自己受容していけるのか?
また、参加者さまからのご相談やご質問にもお答えしていきます。
職場などの人間関係での悩み
子育てでイライラしやすい
旦那さんに言いたいことが言えない
などなど、ご相談やご質問は何でもOKですので、カウンセリングを受けるほどではないけど、ちょっと相談してみたいな、とか話を聞いてみたいなと言う方はお気軽にご参加ください。
温かいお茶を飲みながら、ほっこり気楽にお話しましょう💗
