職場のいじめや噂話、誹謗中傷に悩んでいる人へ

昔も今も、職場での嫌がらせ、ご近所間での根拠のない噂話によるいじめ、学生時代含めてそうした噂話の流布によるいじめはあったものですが、現代ではSNSの普及によりその噂話の流布はより広く公共の場で拡散される場合もあり、単なる噂話の流布では済まない事件になるケースも多々あると聞きます。

また、その拡散力を使ってわざと嫌がらせを広めるためにSNSを使ったり、誰かを貶める目的で根拠のない噂話などを拡散させるなど単なる嫌がらせを超えた悪質なものも多々あります。

この記事ではそうした根拠のない噂話やSNSなどでの嫌がらせなどに困っている、悩んでいるという方に向けてどうしたら良いのか解決方法を解説していきます。

陰口を広めたり噂話や誹謗中傷などをする人はどんな人か

まず。SNSに限らず職場やグループ内で人の悪口や噂話、根拠のない誹謗中傷などを繰り返すような人とはいったいどういう人が多いのか?と言うことからお話していきます。

悪い噂を流す人の心理と特徴

  • 相手を孤立させたいと思っている
  • 周りの気を引きたい、仲間を作りたい
  • 対象者に対しての恨みがある、仕返しをしたい等
  • 自分が欲しいものを持っている相手が妬ましい
  • 嫉妬心や被害妄想が強い
  • 間違った正義感を持っている

大きくこのような心理を持っている人が、人の悪口を言う事が好きだったり、根拠のない誹謗中傷を繰り返すことが多いと言われています。

特に悪口を周りに吹聴するときには、自分は被害者であるという立場から話したり、良い人や理解者のポジションから良い人風なわざわざ丁寧な言葉遣いを使ったり、他の皆も言っていると自分だけが言っている訳じゃないという言い方を使ったり、噂話をしている自分が周りから悪い人だと思われないような工夫をしながら噂話や悪口を言う特徴があります。

その理由は悪口や噂話を吹聴する人ほど、本当は人からの悪口や陰口、非難や中傷を非常に恐れており、人から批判されること、何よりも人に嫌われ孤立することを恐れていることが多いのです。

だからこそ悪口を言いながら、その悪口を吹聴し共有した相手との間に仲間関係を築き安心しようとし、悪口を共有した相手との繋がりを感じることで自分は1人じゃないと感じようとするわけです。

誰よりも人からの誹謗中傷を恐れ、孤独を恐れているからこそ自分が一番嫌な方法で相手に嫌がらせをしようとする、嫌いな相手を傷つけようとする、これが人の悪口や誹謗中傷を広める人の心理だと私は考えています。

噂話や陰口などが広まりやすい環境にある共通点

人間が2人以上集まれば人のうわさ話や悪口などはつきものだとは思いますが、この噂話や悪口があまりにも広がりやすい環境にはある特徴があると言われています。

それが何らかの依存関係や支配関係が存在しているという特徴です。

例えば上司がある特定の部下の悪口を職場で吹聴するケースなどでは、周りの同期や同僚たちは自分が上司に嫌われることを恐れていたり、上司に嫌われたり攻撃されて自分が仕事をしにくくなることをおそれていたり、上司の機嫌を取ることで自分が可愛がられる立場を守れていたり、など、その職場自体に歪んだ構図がそもそも存在している事が多いのです。

簡単に言うと、その上司に対して誰も言いたいことが言えない環境であるという事です。

この構図は家庭内でもよくある話です。親族のトップに君臨している舅や姑に対して、彼らが嫁や孫に対して行う嫌がらせや意地悪に対して、夫である息子は何も言えず、夫の兄弟も一緒になって嫁をいじめるなどと言う話はよく聞く話だと思います。

いじめや意地悪や噂話などが蔓延しやすい環境には、こうした人間関係の構図のゆがみ、支配と従属の関係性が存在していることが多いのです。

被害にあってしまったらどうしたら良いか

では、そうした被害にあってしまった、あるいは今まさに被害にあっているという人達はどうしたら良いのでしょうか。私が考える対処法は下記のとおりです。

  1. スルースキルを手に入れる
  2. 相手にしない、平然とした態度をとる
  3. 弁護士に相談するなど正当な対処を取る

あなたの噂話を流したり、誹謗中傷をしたり、意地悪をする人たちの真の目的はあなたにダメージを与える事です。

だから、ダメージを与えられているという姿を見せる事は相手に餌を与えてしまうことになり、相手を満足させることになるわけです。相手にしない、毅然とした態度をとることが必要だという理由はここにあります。

そして自分がやるべきことを職場であれば淡々とまじめに仕事にあたる事です。そうすれば噂話や誹謗中傷をしている人達の話のおかしさに周りは必ず気付いていきます。そして何よりも、あなた自身がぶれない態度で自分の芯を守り、真面目に生きる姿を見せていればあなたを信じてくれる人は現れてくるものです。

誹謗中傷などにさらされると心は傷つきますし辛い気分に落ち込むことは仕方ありません。ですがそういう時こそ相手の悪意に負けない心の強さを持つことや、自分を信じてくれる人の存在を見て、その人達との関係を大事にして生きると決めることもまた問題を解決していくうえでは必要です。

先ほども書きましたが噂話や誹謗中傷を広める人たちの目的には、相手を孤立にさせる目的もあると書きました。孤立にさせる為に噂話などを広めて、あなたを人間不信に陥れ孤独にさせることが相手の目的です。だから、その言葉に惑わされ人間不信に陥る必要はないということです。平たく言えば相手の思うつぼになるわけですから。

人は不安になったり傷ついた時はどうしても視野が狭くなり、恐怖から周りを見渡す余裕がなくなりがちです。そういう意味でも信頼できる誰かに相談する、噂話が起きている集団とは関係のない第三者の友人やパートナーに相談して頼るなど、視野の狭い状態に陥ったままにならないようにする工夫も必要です。

なお、誹謗中傷の内容があまりにも相手の行動が名誉棄損に当たるような、性的なジェンダーの問題に触れるような内容が含まれていたり、男性関係や家族関係、住所などの個人情報をバラされるなど許しがたい行為をされた場合には、きちんと弁護士さんなどに相談をして対処を取るという態度を見せることも大事です。

大事なことはあなたが誹謗中傷などの卑怯な手に屈しないという姿勢を相手に見せることにあります。悔しさから、流された噂や誹謗中傷を消したいという気持ちになるかもしれませんが、人の口には戸は立てられませんし、彼らの言葉を消して回るわけにもいきません。
また、それをするとあなたの反応によって相手を逆に喜ばせてしまう事にもなりかねず問題は悪化する可能性もあります。

相手と同じ土俵には立たず、しかししっかりと自分の尊厳は守るという姿勢と態度を取るために専門家に入ってもらうことも有効です。

心理的解決と知識的解決の両方からの解決

とはいっても。スルーしたくてもスルー出来ないということはあると思います。感情が揺さぶられ落ち込んだり、イライラしたり、無気力になったり自分の感情の揺さぶられに疲れ果ててしまう事もあるでしょう。

そういう時は先ほども書きましたが、事実を客観的に見れる目を持つ人に話を聞いてもらう事もお勧めです。話を聞いてもらい自分に起きている状況に共感してもらうと辛い気持ちは少し楽になりますし、そうすれば冷静な判断も出来るようになるでしょう。

その上で、誹謗中傷や噂話にさらされている今、あなたがどんな風に傷ついているのか。その傷つきの正体もきちんと知る事も実は大事です。

人に嫌われる恐怖や人に批判される恐怖を感じているのか
あるいは自分が悪いからこんな目にあったのだと感じているのか
人と対峙する事や正当な意思を表現する事を怖いと感じているのか

出来事によって起きる心の反応は人によって違いますが、それは認知のゆがみのせいである場合もありますし、幼少期の親子関係からのトラウマの影響である場合もあり、いずれにしても原因は人それぞれです。

その心の反応については慰めるだけで終わらせず、きちんと認知のゆがみを整えたり、トラウマの対処をするなど根本的な心理的なケアをすることも大事です。

最後に

問題の渦中にある時、人は心が混乱した状態になるものです。怖いのか悲しいのか、怒っているのか何なのか分からなくなるという状態になる事は多いものです。そうした時は専門家の手を借りて問題をきちんと分解し、そして整理しなおし、自分の感情をひとつひとつ感じて完了させてあげる事が傷つきを長引かせないコツになります。

イギリスの哲学者であるフランシス・ベーコンは「知識は力なり」と言う言葉を残したそうですが、私はこの言葉を非常にその通りだなと思っています。

ただ嫌な目にあった、ただ辛かったという不快な思い出だけで出来事を終わらせてしまうよりも、この問題は何が原因となっておきたのか、自分の問題と相手の問題を心理学的な知識で理解し納得すると、起きた問題がトラウマ化るす事が減ると言われています。自分の問題だけではなく、対象者の問題も冷静に把握できると、歪んだ認知で自分を責め続けることもなくなり、相手への感情も適切に処理していけるようになるからです。

もしあなたが職場のいじめや誹謗中傷に悩んでいたり、学生時代のいじめの思い出に今も苦しんでいるなど、いじめにまつわる記憶や経験で悩んでいる場合は、過去の出来事を心理学的な理解で腑に落とすことでトラウマを終わらせていくことが出来るようになりますので、ぜひ心理学を学ばれることをお勧めいたします。

Natureでも心理学を学んで頂ける講座がありますので興味を持たれた方はお気軽にご相談下さい。

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